国連が定めた持続可能な開発目標(SDGs)は、誰一人取り残さない持続可能でよりよい社会の実現を目指す世界共通の目標だ。身近にできることから地球規模の活動まで、首都圏を拠点に四国人もさまざまな活動に取り組んでいる。地域に寄り添い、地球に寄り添う4人の奮闘ぶりとその思いを紹介する。
◆坂野拓海さん(徳島市出身・ビーンズ代表理事)障害者のやりたい形に
オフィスビルが立ち並ぶ東京都千代田区神田錦町の一角に、おしゃれな雰囲気のコーヒー店がある。開業6年目を迎えた「ソーシャルグッドロースターズ千代田」。企業で働くのが難しい障害者に働く場を提供する「就労継続支援B型」の福祉施設として、一般社団法人ビーンズ(千代田区)と区が設立した。年々売り上げを伸ばし、注目を集めている。
施設利用者を含む50人が働いており、そのうち38人に障害がある。コーヒー豆の輸入や品質チェック、焙煎(ばいせん)、抽出、接客などの仕事内容に障害のあるなしは関係ない。スタッフと利用者が入り交じって同じ仕事をする風景は就労支援施設では珍しく、視察や取材を受けることも多い。
「障害者のやりたい仕事を形にした」。ビーンズ代表理事の坂野拓海さん(42)=東京都文京区、徳島市出身=は言う…
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