近年、映画作品などのタイトルでよく見かける「シン」。そこには「新」だけでなく、「真」「深」といったさまざまな意味が込められている。「シン」の響きを持つ漢字一文字からイメージされる、徳島の名所や旧跡、観光地、食などを紹介する。名付けて「徳島のシン・スポット」。



 「イオンモールから乗せて」「ちょっと万代埠頭(ふとう)まで」。タクシー会社に配車を依頼するような調子で、徳島市の認定NPO法人新町川を守る会の中村英雄理事長(84)に連絡が寄せられる。早い時は数分で、守る会の遊覧船が客の待つ船着き場へ到着し、目的地まで送り届ける。水上タクシーは、大小さまざまな川が流れる地形を生かした水都・徳島ならではの新たな試みだ。

 市中心部のあわぎんホールや文学書道館のほか吉野川を経由して、阿波十郎兵衛屋敷に近い船着き場などを結ぶ。予約客が有料で利用できる。県が事業化し、委託を受けた守る会とNPO法人阿波農村舞台の会が2021年8~10月と22年4~10月に期間限定で運航。守る会は同11月以降も独自に水上タクシーの運航を続ける。これまでネットのみだった予約受け付けを、不慣れな人のために電話対応に切り替えるなど利用しやすく工夫している…