近年、映画作品などのタイトルでよく見かける「シン」。そこには「新」だけでなく、「真」「深」といったさまざまな意味が込められている。「シン」の響きを持つ漢字一文字からイメージされる、徳島の名所や旧跡、観光地、食などを紹介する。名付けて「徳島のシン・スポット」。



 華やかな着物をまとった女児と、りりしい衣装の男児が両親と手をつないで歩いていく。その後ろで、あかがね色の屋根が陽光を浴びて輝きを放った。「新しくなったばかりの、いい時に来られた。天気も良くて屋根がとてもきれいに見える」。3歳の双子を連れて大麻比古神社へ七五三の祝いに訪れた母親が、拝殿を見上げながらほほ笑んだ。

 地域で最も位の高い神社とされる「一宮」として名高く、2022年10月、52年ぶりの大改修を経て新しい姿となった。

 神社によると、本殿は1880年の建築。1970年に祝詞殿、拝殿とともに拡張され、檜皮(ひわだ)ぶきから銅板ぶきに変わった。時の流れで赤銅はさび、緑青に。経年劣化で雨漏りなど修繕を要する箇所が多数あったため、「令和御大典奉祝記念事業」として改修した…