近年、映画作品などのタイトルでよく見かける「シン」。そこには「新」だけでなく、「真」「深」といったさまざまな意味が込められている。「シン」の響きを持つ漢字一文字からイメージされる、徳島の名所や旧跡、観光地、食などを紹介する。名付けて「徳島のシン・スポット」。
◇
四国霊場23番札所・薬王寺(美波町奥河内)の門前町の桜町通りを歩いていると、空き家を改装した数多くの民宿が目に留まる。共通点は▽古民家を改修▽町外からの移住者が経営▽素泊まりでの利用が基本―の三つ。近年はちょっとした開業ブームとなっている。
町観光協会や町商工会によると、お遍路さんや海釣り客の利用を見込んで、桜町通りを中心とした半径300メートルほどの円内で2015~22年6月に民宿6軒が開業した。開業時期や地域が集中した理由ははっきりしていないが、町が定住促進へリフォーム費用の補助金を出していることなどがあるとみられる。
19年8月から営業している「壱・ザ・ホステル」のオーナー和田大海(ひろうみ)さん(37)=和歌山県田辺市出身=は「多くの外国人客に利用してもらっている」と言う。高校時代に1年間、米テネシー州で語学留学…
残り961文字