近年、映画作品などのタイトルでよく見かける「シン」。そこには「新」だけでなく、「真」「深」といったさまざまな意味が込められている。「シン」の響きを持つ漢字一文字からイメージされる、徳島の名所や旧跡、観光地、食などを紹介する。名付けて「徳島のシン・スポット」。
◇
美馬市美馬町の山間部にあるゲストハウス「Earthship MIMA(アースシップ・ミマ)」。標高約600メートルに建てられた平屋の背後で木々がうっそうと茂り、南側の窓ガラスからは山の稜線が一望できる。晩秋にはケヤキの葉が風に乗ってさらさらと降り、目の前に雲海が広がる。自然のあるがままの姿から、季節の移ろいを肌で感じられる。
「山々や雲海の風景を見られたお客さまの『わあっ』という驚きやときめき感は、すごく理解できます。私も初めて来た時に一通り感じたから、その感覚を思い出します」。そう言って出迎えてくれたのは、この家を建てた清水智子さん(49)。神奈川県出身で8年前、美馬市に移り住んだ。日本初のアースシップを建て、2020年7月にゲストハウスを開いた…
残り1010文字