事件の抑止や事故の防止こそ、徳島県警の目指す方向と考える。そのためには県警と地域の各種団体との連携が欠かせない。「公安委員長として、地域と連携を深める『潤滑油』の役割を担いたい」と意気込む。必要な会合には、積極的に顔を出していくつもりだ。
獣医師として長年、大塚製薬工場(鳴門市)に勤めた。新薬の候補物資の効果や安全性を見極めるための動物実験の管理など、医薬品開発の現場で獣医師の役割は大きい。
1990年代、創薬のためのゲノム解析をチームリーダーとして率いたことが思い出深い。東京大医科学研究所などと連携し、世界の最先端で研究に励んだ。ゲノム解析で皮膚疾患の原因を探るためのモデルマウスを生み出し、世界特許を取得する成果を生んだ。
現在は、県獣医師会会長や日本獣医師会理事などの要職も務める。動物愛護や狂犬病予防など、県獣医師会の活動は全国的に見ても胸を張れる充実ぶりだという。
座右の銘は「知難而進(ちなんじしん)」。難しいことがあっても少しずつでも進んでいこう―。言葉の意味をこう解釈し、仕事で大変なときなどに思い出してきた。
プライベートで楽しみにしているのが、地元神山町での里山の管理だ。亡父が残してくれた山の斜面に、5年ほどかけて桜や山菜を植えている。「奇麗にすれば、人も近づきやすいだろうと思ってね」と笑い、地元への愛着の深さを見せた。68歳。