青空に大理石の白がまばゆい未来心の丘。彫刻や階段、壁が不規則に並んでいる=広島県尾道市瀬戸田町

 快晴の空が広がる瀬戸内海。しまなみ海道沿いに浮かぶ生口島で、白一色の世界が異彩を放つ。広島県尾道市瀬戸田町の耕三寺博物館にある大理石庭園「未来心の丘」だ。かんきつ畑が多い島で、ランドマーク的な存在でもある。

 庭園は、県出身の彫刻家杭谷一東さんが手掛けた。約5千平方メートルの敷地に11点の巨大な彫刻が並ぶ。彫刻や通路などに使用した3千トンもの大理石は、杭谷さんのアトリエがあるイタリアから海路で運んだ。

 彫刻は仏教の「十二天」にまつわる獅子やゾウなどをイメージ。島の自然や景色との調和を目指して配置した。頂には手を合わせたような彫刻「光明の塔」があり、記念撮影する観光客が絶えない。

 「通路や階段もアート作品なんですよ」と、博物館の学芸員が教えてくれた。切り立つような壁、波形のように柔らか面…。進む途中の景色も楽しい。

 息を弾ませ不思議な白い世界を登り切った。大理石に触れるとひんやりした感触が心地よい。見渡せば、穏やかな海と多島美のパノラマが広がっていた。(写真と文・天畠智則=中国新聞)