徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)

 体温を測定する時には同じ条件で測定します。使用する体温計も同じものを使用します。 

 体温計には実際の体温を測定する水銀体温計や赤外線を利用した実測式の体温計と、平衡温予測式と言われるような計算式で演算して表示する電子体温計があります。体温を測定する時には、それぞれの体温計の特徴を理解して使用することが大切です。

 昔から正確な体温は水銀体温計を使って約10分間測定することで得られるとされます。しかし動き回る子どもが体温計を挟んで10分間もじっとしていることは出来ません。また水銀体温計はガラス製ですから壊れやすく危険です。壊れて流れ出た水銀を飲み込んでも中毒を起こすことはありませんが、蒸気になった水銀を吸入すると神経障害を起こすことが知られています。環境汚染の問題もあり、水銀体温計使用は避ける傾向にあります。

 赤外線を利用した体温計は鼓膜や皮膚に直接赤外線を当て、表面の温度を測定します。測定時間は数秒間と短いのですが、鼓膜で測る場合には赤外線が正確に鼓膜に当たらないこともあります。前額部で測定する場合には皮膚表面の状態に影響されます。冷気に当たった皮膚は冷たく、熱気に曝された皮膚は熱く計測されます。

 最も多く使用されているのは平衡温予測式の電子体温計です。測定開始から10分後の体温を予測するものです。体温の測定場所は多くの場合、腋窩と決められています。他の部位で測定した場合には正確な予測値は得られません。決められた方法で使用すれば正確な予測値が得られます。