ぐっと冷え込んで一気に冬らしくなってきた今日このごろ。体がぽかぽか温まる、ウォーキングに出かけてみませんか?近場で旅気分を味わえるコースをご紹介。

 四国霊場十九番札所・立江寺から二十番札所・鶴林寺の道中にある古道「真念へんろ道」。小松島遍路道保存会が地域に残る文化を守り継ごうと整備し、道しるべを設置。これまでは県道28号を歩く人が多かったが、同会の継承活動により真念へんろ道が見直されている。立江寺からほど近くにある「お接待処・民泊 鮒の里」を営む吉成廣一さん(75・小松島市出身)が小松島遍路道保存会の発起人と聞きさっそく訪ねた。四国遍路の成り立ちや遍路を広めた修行僧・真念について詳しく教えてくれたうえ、真念へんろ道の地図も持たせていただいた。この古道には真念が設置した貴重な道しるべ「真念石」が3つ残っているそうだ。今回は、真念へんろ道の前半部分のみ体験し、ほどよいところで折り返す約7kmのコースに決定!

歩行距離:約7km 所要時間:約2時間30分 難易度:★★★☆☆

スタート地点までの行き方
国道55号・赤石トンネルから南へ約800mの交差点を右折し県道28号へ。道なりに約1km進む。

最寄り駅・バス停
JR牟岐線「立江駅」
徳島バス立江線もしくは小松島立江線「立江小学校前」

①十九番札所・立江寺からスタート。1月10日頃まで厄除黒面大師が御開帳される。

 スタートは立江寺。「子安の地蔵尊」とも呼ばれ安産を祈願する人が多い名刹だ。荘厳な本堂を参拝し歩き始める。朱色の白鷺橋を渡って県道28号を進み、立江駐在所を過ぎると山側に「真念歩きへんろ道」の入口を示す赤い道しるべがある。木々がアーチを作るように茂った道へ入っていく。右に石垣、左にグラウンドを見ながら細い道をゆく。

②緩やかな上り道を進む。

 みかんがたわわに実る山間部、近隣の人だけが通るような生活道を歩くうち、旅に出たような気分になる。分岐点にはへんろ道の目印があるし、道は綺麗に手入れされ歩きやすい。古道を復活させた小松島遍路道保存会の活動に頭が下がる。

③11月下旬、みかんがたわわに実る道。

 ガラリと景色が変わる竹林を抜けると高速道路の工事現場が出現。横切って正面に見える池の縁をたどるように歩くと再び山間の道。畑や集落、のどかな風景を楽しみつつ道しるべに従うと県道28号に合流だ。

④「真念へんろ道」の道しるべを見つけると、ほっと安心。

 櫛渕小学校を過ぎて思わず足を止めたのは、櫛渕八幡神社。境内にある巨木「櫛渕のフウ」が美しい。看板には昭和29年に県指定の天然記念物になったと記されている。植えられたのは大正の始め頃だとか。

⑤櫛渕八幡神社の境内にある巨木フウ。

 木陰でひと息つき足を進める。そこでふと目に飛び込んできたのが、ずどーんと広がる畑の向こうで揺れるピンクの幟。目を凝らすと「うどん みぽりん」と書いてある。昼食はここで決まりだ。回転灯を目がけてダッシュし、ちくわ天うどんを注文。

⑥まっすぐ歩いていくとまもなくピンクの「うどん」の幟が見えてくる。

 エネルギーチャージ完了し、法泉寺前のバス停まで行って折り返す(復路はひたすら県道28号)。

⑦今回のウォーキングは「法泉寺前」バス停で折り返す。

 次回チャレンジするときは、ここから真念へんろ道の後半部分を歩いて鶴林寺を目指したい。

【立ち寄り】うどん みぽりん
 ちくわ天うどんや肉うどんなどうどんは約10種類、牛丼やかつ丼、かつカレーといったご飯ものもいただける。店名のみぽりんは店主の水口美保さんの愛称。

徳島県小松島市櫛渕町木原47-1
0885-37-3145
営業時間=10:00~15:00(売切まで)
定休日=水曜、木曜休

ちくわ天うどん(470円)。