最前線で圧倒的な存在感を放つ元ナイジェリア代表FWのピーター・ウタカ。ピッチを一歩離れると、家族思いで笑顔を絶やさない。ユーモアにあふれる、その素顔に迫った。
■趣味から仕事に
サッカーを始めたのは8歳のころ。趣味の一つにすぎなかったが、元ブラジル代表FWロナウドに憧れ、才能を開花させた。「サッカー選手になっていなかったらコメディアンか俳優になってたね」と笑う。二つ年上の兄ジョン・ウタカも代表経験がある。
キャリアの中で一番興奮した出来事は、アルゼンチンとの代表戦。「メッシとマッチアップしたんだ。自分が左サイドでメッシが右だった。すげーと思いながらプレーしたよ」。その試合ではもう一人のスター、アグエロとユニホームを交換したことも思い出だ。
■宝物は家族
ベルギーのチームでプレーしていた12年前に結婚。6年前にまな娘のオリビアちゃんを授かった。「歌うのが好きで、家でよく歌っているよ。将来の夢は歌手か、だめなら医者らしい」。家族は人生の宝物と考え、オフの日は一緒に映画を見たり、カードゲームのウノを遊んだりして過ごしている。
好きな色は黒、白、赤。ファッションもこの3色を基調に、シンプルなデザインのワイシャツなどを好む。収集しているのは腕時計。中でもスイスの高級ブランド「リシャール・ミル」がお気に入りで、「特別な時間を過ごす時だけ着ける」と言う。
■ポジティブに
好きな言葉は「いつもポジティブに、いつも笑顔で」。プレー中は厳しい表情を見せることもあるが、チームメートとのコミュニケーションや練習場のファンサービスでは笑顔を絶やさない。
「徳島が気に入ってる。サッカー以外にもいろんなことを体験したいし、渦の道なども観光したいんだ」。徳島の救世主からますます目が離せそうにない。