2016年4月に開かれた「とくしまマラソン2016」の警備業務を巡り、不正な行為をしたとして徳島県警備業協会(徳島市)から除名処分を受けた警備会社「ユニテック」(徳島市)が同協会を相手取り、処分取り消しを求めた訴訟の判決公判が2日、徳島地裁であった。田中一孝裁判官は原告の請求を認め、処分は無効とした。

 判決によると、ユニテックは協会の幹事社として大会主催者の県と警備業務受注額などについて交渉していたが、一緒に業務を担った他社に不信感を持つなどして幹事社を辞任した。その後、同社は後任の幹事社よりも低い見積書を提出して県から警備業務を受注。最終的に辞退したが「業務を妨害した」などとして、協会から16年9月に除名された。

 田中裁判官は判決理由で「原告の行為は協会が定める『協会の規則に反する行為をしたとき』に該当せず、除名事由があったとは認められない」と指摘。原告が協会の幹事社を辞任し、独自に県へ受注額見積書を提出したのは「正当な行為」とし、自己の利益を追求したとする被告の主張を退けた。

 協会は「弁護士と内容を検討し対応したい」とコメントした。