徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)

 発熱はありふれた症状ですが、発熱に伴って発生する熱性けいれんは全小児の7~8%に見られます。子どもの熱性けいれんを見た家族はこのような怖いことは二度と経験したくないと思います。そこで今月は熱性けいれんについて考えてみました。

熱性けいれんは38℃以上の発熱時に急激に四肢が強直性又は間代性にけいれんする発作的な症状です。熱性けいれんは元気な子どもにいきなり発生しますから、両親にとって心配なだけでなく、我々小児科医にとっても大変悩ましい疾患です。

 小児科医にとって悩ましいのは、熱性けいれんの背景に治療が必要な基礎疾患があるかどうか、その後の再発を予防する治療が必要であるかどうかの判断が、初診時には難しい場合があるからです。

 熱性けいれんは一生の内に一回だけしか起こらない人が70%です。30%は再発しますが、3回以上再発する人は9%に過ぎません。

病院を受診した時にけいれん発作が続いている場合には、けいれん発作を速やかに止める必要があります。普通、熱性けいれんは5分以内に自然に停止しますから、医療機関を受診した時にけいれんが続いている場合にはけいれんが重積している可能性があります。

けいれん重積症はその原因に中枢神経系に重篤な疾患が隠れていることがあり、生命予後の不良や神経系に後遺症を残すことがありますから、点滴や注射で速やかにけいれんを停止させることと、原因を突き止めることが大切です。

受診時に止まっている場合には、発熱の原因疾患に対する治療を行い、後に熱性けいれんの再発予防が必要かどうかを判断します。