徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)

麻疹はとても重篤な感染症で、伝染力も強く、予防が最も大切な疾患です。罹っても根本的な治療法はなく、対症療法しかありません。

麻疹の症状は高熱が持続して、全身に紅斑が出現し、激しい咳、鼻汁、眼脂、下痢などが見られ、食欲の低下から脱水症を起こすこともあります。さらに麻疹に罹患するとブドウ球菌などの細菌感染症に対する抵抗力が低下して、肺炎や中耳炎を合併することがあり、重症例では死に至ることもあります。

麻疹を日本から排除するためにはワクチンの接種率を95%以上に維持する必要があります。世界保健機構WHOは2012年までに日本から麻疹を排除する計画を立てていましたが、残念ながらこの目標は達成できませんでした。今年も9月中旬までに日本で麻疹は436例発生しています。

また2013年度の徳島県の麻疹ワクチンの接種率は1期で94.5%(全国36位)、2期が92.5%(全国35位)と全国平均にも達せず、接種率の目標値95%も下回っています。

最近、日本の国内で発生する麻疹はほとんどが20~30歳代の成人の麻疹です。この世代は風疹同様、麻疹に対する免疫も最も低い年代です。また最近、日本で見られる麻疹はほとんどが外国から持ち込まれる輸入麻疹です。海外旅行や仕事で海外に出かける人が増えて、外国で感染して、帰って免疫のない家族や職場で伝染するのです。

若年成人対してワクチンを接種する場合、麻疹にも風疹にも免疫を持っている確率が低い訳ですから、単独ワクチンでなく麻疹・風疹混合ワクチンを使用して両者の免疫を同時に高めることが望まれます。