来春の知事選に自民党の三木亨参院議員が出馬表明する中、現職の飯泉嘉門知事の去就が焦点となっている。飯泉氏は2003年の就任以降、知事選前年の県議会11月(12月)定例会で立候補の意思を表明してきた。ところが、今回は22年11月定例会で言及はなく、今なお明言を避けている。背景には、知事選を巡る保守分裂の情勢や、飯泉氏と自民党県議との関係の変化がある。(統一地方選取材班)
◆飯泉氏を支える県議も6選に難色
2022年11月30日の県議会本会議。代表質問に立った最大会派・県議会自民党の議員2人は、飯泉氏に進退をただすことなく降壇した。過去の知事選では、11月定例会で最大会派の質問に飯泉氏が答える形で出馬を表明してきた。しかし、今回はその「恒例行事」は見送られた。最初の代表質問に立った自民の重清佳之氏は取材に「9月定例会で同僚が質問し、目の前の課題に対応するとして知事は態度を明かさなかった。それから状況は変わっていない」と弁明した。
だが、同じ会派の県議は「知事の進退は県民の関心事。具体的な答弁が期待できなくても、当然、聞くものと思っていた」と驚く。会派内の別の県議は「さすがに6期は長すぎる。質問して『出る』と宣言されても対応に困る」と漏らす。会派を代表する質問ではあっても、派内で6選に対する考えの隔たりがあり、まとまりきれていない状況がうかがえる。そうした事情もあって、県議が幹部を務める自民県連の推薦候補も決まっていない…
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