徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)

新生児期には昼夜の区別なく睡眠し、好きな時に授乳を繰り返します。しばらくするとまとまった時間睡眠を取ることが出来、授乳にもリズムが現れます。生後3か月頃には多くの乳児で生活リズムが明らかになります。

生活リズムの基本は睡眠・覚醒のリズムです。これは私たちの生体リズムが地球の自転による昼夜の変化に一致して現れます。この生体リズムを規定する最も大切な因子は光刺激ですが、私たちは時計を利用して社会生活を送っていますから、光の変化だけで眠ったり起きたりしている訳ではありません。

生活リズムを規定する大切な要因のひとつが食事です。食事は生体リズムに直接作用する因子ではありません。食事を人と一緒にとる行為が社会的な因子として作用するのです。

決まった時間に家族と一緒にとる食事が生活リズムを確立することに役立ちます。成長に伴って睡眠と食事の時間が一定になると安定した生活を送ることが出来ます。

離乳食は最初1日1回から始め、7~8カ月に2回食になり、9~10カ月で3回食になります。この頃には大人と同じ時間に食事をとるようになります。食事を一緒にとることが集団生活の中で社会性を養うことにつながります。

朝食を独りで食べる子どもや朝食を食べずに登校する子どもが居ます。孤食や欠食は子どもの心の発達にマイナスの影響を及ぼします。

離乳食の時から3度の食事をきちんととること、食事を人と一緒にとることを学び、正しい食事習慣によって社会性を養い、楽しい食事による心豊かな生活を送りたいものです。