徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)

睡眠は大切な生理現象です。睡眠はその長さも大切ですが、毎晩決まった時間に寝ることも大切です。特に子どもの睡眠は成長に大きな影響を及ぼします。

毎日決まった生活を続けていると、時計がなくてもほぼ同じ時間に目覚めます。これは体内時計が24時間の周期で時を刻んで睡眠・覚醒リズムを調節しているからです。24時間周期の生理現象をサーカディアンリズムと言い、睡眠・覚醒の変化の他、呼吸や循環、内分泌、体温調節など多くの生理現象がその影響を受けて変動しています。

生体時計は自律的なリズムを刻むとともに環境リズムに同調して変動することが特徴です。生体リズムと環境リズムが同調するためにはよく似た周期であることが必要です。人の生体時計の周期は約25時間で、環境リズムの周期は約24時間です。

生体リズムが環境リズムに同調するための手掛かりを同調因子と呼びます。同調因子には明暗や音の変化などの物理的因子と、人との会話や接触など社会的な要因があります。

子どもの24時間周期のリズムは新生児期には明らかでなく、昼夜の区別なく睡眠と覚醒を繰り返します。出生後に家族と一緒に生活することで、環境リズムに同調します。この時に大切なのは昼間の光や騒音などの物理的因子に加えて、授乳や母親との接触などの社会的な刺激を受けることです。

人は毎日決まった時間に刺激を受けることで安定した体内リズムが確立されます。子どもの睡眠リズムの確立が生活の基本です。早寝、早起きなど規則正しい生活を送ることで生理的に安定し、正しい成長を促すことになります。