徳島県内の国公立幼稚園、こども園、小中学校、高校、特別支援学校の教職員でつくる組織のトップに就いた。128年の歴史があり、会員は7千人を超える。大役を引き受け「良い教育を行うために、会員が働きやすい環境を整えたい」と意気込む。
鳴門高校長になって2年目。社会のグローバル化や少子高齢化に伴い、保護者から教職員に対する要望や期待が一層膨らんでいることを実感している。
「変化が激しい時代。子どもの生きる力を育てるには、教える側が変化に対応できなければならない」として、教職員研修充実の必要性を強調する。
専門科目は高校の政治経済とあって、国会で審議が始まった選挙権年齢の「18歳以上」への引き下げが気掛かりだ。早ければ来年の参院選から適用される可能性があり、高校生への啓発は急務。「教育に何ができるのか」。国の動きを注視しながら自問している。
教員生活35年、県教委や教職員組合などでの勤務が長かったため教壇に立ったのは通算13年間だったが、今も教え子が手紙や会員制交流サイト(SNS)を通じて近況を知らせてくれる。「子どもは宝」。古いアルバムをめくりながら、しみじみと口にする。
最近の楽しみは各地の温泉巡り。日帰りで近県を回る。「泊まりたいけど、学校を空けるのがしのびなくて」。ゆっくり名湯を堪能できるのはしばらく先になりそうだ。鳴門市撫養町斎田。59歳。