司法試験に合格して2年。司法修習を修了し、今年1月に弁護士事務所に入った。弁護士になってまだ日は浅いが「クライアントに喜んでもらえたときは、やりがいを感じます」と話す。

 所属する法律事務所も昨年6月に開設したばかり。企業活動に伴う法律問題への対応や内部統制などの企業法務、不動産関連を中心に扱い、中国をはじめとした国際法律業務にも力を発揮している。

 自ら培った語学力を生かして、英語圏内の案件を手掛けている。「海外に打って出ることで活路を見いだしたいと考えている企業は少なくない。そうした企業をサポートできるのが現事務所の強みであり、自分もさらにスキルアップして貢献したい」と意欲を燃やす。

 法学部で学んだが、当初、法曹関係に進もうという意識はなかった。卒業後は徳島県庁に入庁。仕事は楽しかったものの「厳しい世界で自分を試してみたい」と思い立ち、広島県内の鋳造メーカーに転職した。

 法務担当として渉外活動に携わる中で、法務の重要性とその面白さに目覚めた。「自分の力で新たな道を切り開きたい」との思いが膨らみ、退職。猛勉強の末に合格を果たした。

 司法制度改革によって弁護士の数は増えた。難関をくぐり抜けたにもかかわらず、パイを奪い合う厳しい競争にさらされている。「企業法務ばかりでなく、貪欲に何でも仕事をこなしていく。その上で自分ならではの専門性を高めていきたい」と身を引き締める。

 徳島には頻繁に戻り、高校時代の友人らと会い、家族でスポーツも楽しむ。「古里に戻ってくると、やっぱりホッとする。仕事を通じて徳島でも何らかの社会貢献ができればいいですね」。

 あさだ・わたる 小松島市出身。城東高校、早稲田大法学部卒。徳島県庁勤務などを経て、大阪大学大学院高等司法研究科を修了し、2013年に司法試験合格。現在は大阪市内のウィル合同法律事務所に所属する。大阪市在住。34歳。