大学入試必携、あの「赤本」を出版している教学社が募集した「受験川柳」にあった。<E判定逆転サヨナラ下克上>。模試で散々な成績をとったのだろう。それでも歯を食いしばり、今日も机にしがみつく
受験生の心情を考えたことがあるのか、この大学は。入試不正を巡って前理事長らが在宅起訴された東京医科大で、今度は女子受験者の得点を一律に減点していた疑いが浮上した
女性は結婚や出産を機に職場を離れるケースが多いため、系列病院の医師不足を回避する目的から合格者を抑えたという。随分と身勝手な理屈である。女性医師が離れずに済む職場をどうつくるか。得点操作といった反則技を使う前に、やるべきことがあるはずだ
2010年ごろに始まったらしいが、募集要項には一切示していない。示せるはずもない。うちでは女子は3割前後しかとりません、なんて今どき。あからさまな性差別である
親ばか文科官僚の息子にはゲタを履かせ、女子の得点は1~2割削る。本年度の合格率は男子8・8%、女子2・9%。数字の裏にまじめな受験生の涙がある
<髪の毛と勉強時間のびていく>。正念場の夏。髪型を気遣う時間も惜しいに違いない。<「君の名は」あると信じる掲示板>。入試は人生をも左右する。公平だと信じて頑張る受験生を裏切った罪は重い。