藍の葉を収穫する阿南工業高生=美馬市穴吹町三島

 阿南工業高校(阿南市)の生徒が、藍染した県産材であんどん作りを進めている。同校が開発した、倒れると光る竹製懐中電灯「ぽてっとライト」の技術を応用。深夜の地震などで倒れると自動で点灯する。年度内に試作品を仕上げ、来年度の商品化を目指す。

 あんどんは、県西部の急傾斜地などで栽培した藍で染めた県産材とLED電球を使用。人の声で操作する人工知能(AI)スピーカーを内蔵し、手を使わずに離れた所から明るさを調節できるようにする。外国人観光客が滞在する宿泊施設への設置を想定し、外国語にも対応。観光案内機能も備える。

 剣山系の活性化を目指す一般社団法人・忌部文化研究所の林田茂男さん(62)=北島町北村、経営コンサルタント=らが「ぽてっとライト」を知り、県西部で育てた藍の需要増を図ろうと同校に依頼した。電気科の生徒と教員6人が中心になって試作している。

 7月には生徒4人と教員が、美馬市穴吹町三島にある林田さんの知人の畑で藍を収穫して天日干しした。建設科3年の松尾隼人さん(17)らは「必要な機能が備えられるよう、試作を重ねたい」と話している。

 林田さんは「藍は食害を受けにくく、急傾斜地での栽培に適している。需要を高めて栽培面積を拡大すれば、農家の収入も増えるだろう」と期待している。