空が赤く染まり、川面に映える。川島潜水橋ではバイクが家路を急いでいた=吉野川市川島町

 「潜水橋」。徳島県ではそう呼ばれるが、隣の高知県では「沈下橋」という。他にも、地域によって「潜没橋」「潜流橋」「沈み橋」などの呼称がある。

 いずれも名の通り、増水時には、川の中に潜り、沈む。徳島県内には、吉野川をはじめ各地の川に50を越える潜水橋が存在する。

 このような橋は1950年代から60年代にかけて全国各地に造られた。本格的な橋は建設費が高く、車の普及に伴う交通量の増加に対応するため、構造が簡単で安価な橋として建設が相次いだ。

 県外から訪れた人にとって、川面が近く車幅ぎりぎりで欄干もない橋は珍しいようだ。車が通行している光景に驚き、渡るのをためらう人も少なくない。

 「川島橋」は、吉野川の中洲である善入寺島と吉野川市川島町を結ぶ。1963年に完成し、全長282・5メートル、幅3メートル。お遍路さんが行き来する遍路道でもあり、夏場は南岸から渡る際、ほぼ正面に夕日が沈む名所として知られる。

 空が赤く染まり、見るために訪れたり、写真撮影したりする人も多い。「今日はよう焼けたな。きれいやなぁ」。撮影中、何度も声を掛けられた。