国内景気は緩やかに回復しているとされるが、労働者を取り巻く環境はなお厳しい。県内最大の労働団体のかじ取り役を任され、「中小企業の多い地方でアベノミクスの実感はない。草の根的な活動で労働者の声をくみ取っていきたい」と抱負を語る。
非正規労働者の不安定な雇用、精神疾患を患う労働者の増加、ハラスメント被害などさまざまな問題が職場で起きている。気軽に利用できる労働相談の周知や迅速な対応に取り組み、「社会の不条理を正す連合を心掛ける」。
組織力の強化が求められる中、20代と30代前半の若い世代の組合離れが悩みの種だ。「組合と聞けば堅苦しいイメージがあるのだろう。気軽にコミュニケーションを図る場として考えてほしい」と話す。
1983年に県庁に入り、県職員労働組合青年部で活動を始めた。各種イベントを企画し、参加しやすい雰囲気づくりに腐心してきた。
モットーは「傾聴」。相手の意見をしっかり聞き、お互いに理解を深めることを大切にする。「組合活動の原点は人と人との出会い、話し合い。地域住民や各種団体との連携も大切にしたい」と連合徳島の新しい可能性を探っていく。
先輩の勧めで減量のためにウオーキングを始め、里山を歩くことが趣味になった。「考えながら歩いていると名案が浮かぶことがある」。長男は独立して県外に住み、徳島市上八万町中山の自宅で妻、次男と暮らす。57歳。