徳島県は12日、県内で季節性インフルエンザが流行期に入ったと発表した。8日までの1週間に、定点医療機関37カ所から報告された患者数が平均4・65人に上り、流行入りの目安となる1人を超えた。県内での流行入りは、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年12月以来、3シーズンぶり。専門家は「コロナとインフルの同時流行が県内でも始まった」とし、警戒を促している。

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 県感染症対策課によると、8日までの1週間の報告患者数はA型インフルエンザを中心に172人に上り、前週23人の7・5倍と急増した。年末年始に人の移動が増え、感染が広がった可能性がある。30歳未満が133人で8割近くを占め、若年層を中心に感染が広がっている。

 県医師会感染症対策委員長を務める田山正伸医師は「この2年間はインフルが流行しなかったため集団免疫が落ちており、例年より広がりやすくなっている」と指摘し、基本的な感染対策の徹底やワクチン接種を呼び掛けている。

 インフルエンザの定点調査では、報告患者数が平均10人で注意報、同30人で警報を発令する目安となる。直近10年で患者数が最多だったのは15年1月12~18日の1817人。