アート作品を紹介する利用者=阿南市上中町南島の障害者支援施設シーズ

アート作品を紹介する利用者=阿南市上中町南島の障害者支援施設シーズ

利用者が制作した作品を紹介する林理事長=阿南市上中町南島の障害者支援施設シーズ

利用者が制作した作品を紹介する林理事長=阿南市上中町南島の障害者支援施設シーズ

 内閣府のバリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰で、阿南市上中町南島の障害者支援施設シーズが第3席の奨励賞に選ばれた。利用者によるアート制作や企業などと協力した作品展の開催を通じて、障害者への理解を広めたと評価された。現在はパリ五輪と大阪万博での出展を目指して創作活動に取り組んでいる。

 施設では、利用する知的障害者の自立促進などを目的に2002年からアートの制作を取り入れた。障害者の豊かな表現力や創造力を広く発信しようと、東京五輪・パラリンピックに合わせた東京での作品展を目標に掲げ、16年から年に1度、県内外で展示会を開催した。施設利用者以外も含め、21年までに延べ1566人が制作に携わった。

 新型コロナウイルス禍で東京での展示は断念したものの、20年に初めてオンラインでアート展を開き、健常者を含む国内外の約450人が作品を出した。21年には東京五輪聖火リレーに合わせた展示会を徳島市で開き、利用者や学生らが作った家の形のオブジェ約600点を並べて共生社会の実現をアピールした。

 重度知的障害者の中には言葉を発するのが難しい人もいるが、活動を通して話したり、主体的に行動できるようになったりする効果が表れている。

 施設を運営する社会福祉法人悠林舎の林正敏理事長(73)は「受賞を糧に、さらに認知してもらえるよう努力したい」。利用者の橋本重雄さん(40)は「作品作りは楽しいので、これからも頑張る」と意気込んでいる。

 功労者表彰は、障害の有無や年齢に関わらず多くの人が安全で快適に暮らせる社会づくりに貢献した個人・団体に贈られる。22年度は内閣総理大臣表彰1件、優良賞2件、奨励賞2件だった。