四国経済産業局で、4月から広報担当の責任者を任された。マスコミ向け情報提供やメールマガジン、ホームページの運営管理に取り組む。広報担当は初めてで「毎日が戸惑いの連続」だが、「施策の情報が末端まで伝わるよう努力したい」と話す。
 
 広報文が分かりにくい文章になっていないか、発表の趣旨が十分に伝わっているかに重点を置く。「役所の発表文は長くて読みにくいと言われる。施策を多くの人に理解してもらうのがポイント。要点を簡潔に伝えるため新聞記事も参考にしている」
 
 富岡西高を卒業後、徳島大工学部機械工学科でシステム工学を学んだ。4年の時には大学院進学も考えたが、「長男なので四国に残り、勉強したことを生かして四国の産業発展に貢献したい」と就職先に四国通商産業局(現四国経済産業局)を選んだ。
 
 技官としての採用ながら配属されたのは開発企画課、中小企業課、地域振興課など事務系部署が大半。地域開発計画の策定や企業誘致、地場産業支援などをこなしてきた。「数字に強いので理科系の目線を生かすことができた。地道に産業振興に尽力してきたつもりだ」と振り返る。
 
 転機は愛媛県新居浜市の経済部参事として出向した2006年からの4年間。市の産業振興ビジョンづくりに携わり「机上論では施策と企業の要望とのミスマッチが生まれる。経営者の生の声を聞かないと産業振興にならない」と現場の大切さを再確認した。企業現場の意見を施策に反映しようと、新たな広報手段としてフェイスブックの開設を準備中だ。
 
 高松市で妻、高校3年の長女、中学校3年の長男と4人暮らし。父母が暮らす古里阿南市の人口減少が気掛かりで「若者の流出を食い止めるために雇用の確保が不可欠」と語った。

 おかもと・あきよし 阿南市上中町出身。中野島小、阿南一中、富岡西高から徳島大工学部機械工学科卒業。1984年に技官として四国通商産業局入り。産業振興課長補佐、総務課長補佐などを経て2015年4月から参事官(総合調整担当)兼広報・情報システム室長。高松市牟礼町在住。54歳。