「仕事が楽しいと思っているようでは、まだ趣味の段階じゃ。製品の良さを突き詰めていくと、とにかくプレッシャーがかかる。仕事はしんどいもんなんよ」

 鍛冶工の職人として54年目。「現代の名工」でもある大久保喜正さん(70)=勝浦町三渓=は自らを追い込むことで、客から「一度使うと手放せない」とたたえられる包丁を生み出す。