2022年3月に発見された「ZTF彗星」が地球に近づいている。1月下旬から2月初めにかけて北の空で明るさを増し、最接近時は約4・5等級と、条件が整えば双眼鏡で見える可能性がある。阿南市科学センター職員天文担当の今村和義さん(37)が12日に市内の自宅の天体望遠鏡で撮影した画像では、星雲のように淡く輝く姿が確認できる。
彗星は米国のパロマー山天文台で全天観測を行う研究グループ「ZTF」が発見した。23年1月12日に太陽に最接近。地球には2月1日ごろ、最も近い約4200万キロまで接近する。
明るさは1月中旬は約6等級、下旬は5等級で、最接近前後は約4・5等級と予測されている。センターによると6等級の星は肉眼で見える限界。彗星は同じ明るさの星よりもぼんやりと暗く見えるため、最接近時でも夜空の暗さや空気の透明度など条件が整わないと観測は難しく、双眼鏡などの使用を薦めている。
今村さんが作成した«星図»によると、彗星は15日から2月2日にかけ、北斗七星と、こぐま座の北極星の中間を少しずつ移動する。18日から最接近日まで深夜から未明にかけての時間帯であれば、見やすい高度で月明かりに邪魔されず観測できそうだという。
センターでは毎週土曜、四国最大の大きさを誇る口径113センチの望遠鏡で天体観望会を実施中。双眼鏡などを持っていない人には観望会への参加を呼び掛けている。要予約。問い合わせはセンター、電話0884(42)1600。