指導者としての歩みを振り返る迫田さん=阿南市富岡町の市文化会館

指導者としての歩みを振り返る迫田さん=阿南市富岡町の市文化会館

 広島県の広島商業と如水館両高校の野球部を春夏計14回、甲子園に導いた迫田穆成(よしあき)さん(83)=同県竹原市=の講演会「人生と野球の今~指導者としての歩みの原点」(徳島新聞社など主催)が15日、阿南市富岡町の市文化会館であり、約100人が聞き入った。

 迫田さんは、広島商業の主将として出場した1957年夏の甲子園決勝戦での思い出を紹介。「優勝したが、自ら招いたミスが大会後もしばらく頭から離れなかった」と苦かった胸中を語りつつ、それが今のプラス思考に変わるきっかけになったと強調した。

 73年夏には母校の監督で優勝し、指導者としても頂点を極めた。2019年から竹原高校(広島)野球部の監督を務めており、「練習では人間形成を重視し、試合でも相手への感謝や敬意を忘れないよう指導している」と述べた。

 堅い守りで競り勝つ「広商野球」のエピソードも披露。1973年春の作新学院(栃木)戦でのエース江川卓さん(元巨人)の攻略法について会場から問われた際は、「われわれが点を与えなければいいんだと考えることにした」と答えた。

 城東高野球部の1年阿部立城さん(15)は「常に甲子園をイメージして練習しているので勉強になった」と話した。