徳島市川内町下別宮西の農業島藤託也さん(41)が飼育するヤギの母娘が、住民の人気を集めている。畑でのんびりと過ごし、愛嬌(あいきょう)を振りまいている。雑草を食べ、ふんは肥料になり、環境に優しく安全な農業に貢献している。
母ヤギの「大福」は3歳で体長1・5メートル。人懐っこく、知らない人にも寄っていく。勢い余って突き飛ばされる人もいるので注意が必要だ。娘の「金時」は昨年4月に生まれ、体長1メートル。人見知りするが手で触れる。
日中は島藤さんが川内町下別宮東、小松北両地区に所有する、3・5ヘクタールのなると金時やダイコンの畑で過ごす。周囲に柵はなく、重しに引き綱が結ばれている。夜間や雨の日は島藤さん宅そばの小屋で休む。
近所に認定こども園や幼稚園があり、園児が見に来る。要望を受けて島藤さんが連れて行くこともある。川内南幼稚園の榎本孝裕園長(川内南小学校校長)は「普段見られない動物に接することができ、ありがたい。情操面の成長につながる」と喜ぶ。
飼い始めたのは3年前。妻英理子さん(41)の実家でヤギを飼っており、自宅でもペットにしようと妻のつてを頼って大福を譲り受けた。傷んで廃棄するしかない野菜や、耕作放棄地の草を食べてもらう狙いもあった。
ヤギによる除草や堆肥のコスト面の効果はわずかというが、畑にヤギがいる風景は目を引く。島藤さんは「『変わったことをしているな』と注目し、農業に興味を持ってもらえたらうれしい」と笑った。
【動画URL】https://youtu.be/obtdTiZoJhA