1995年1月17日、阪神大震災の夜は満月だった。同じ形の月が空に浮かんだ1カ月後に生まれた歌がある。「満月の夕(ゆうべ)」。傷ついた街の情景を描き、そこから立ち上がる人々に寄り添うように、多くのミュージシャンによって歌い継がれてきた。その一人、京都在住のシンガー・ソングライター、リクオさん(58)は、曲の誕生に立ち会った特別の思いを胸に、きょうも歌い続ける。