「古里の愛知県以上に愛着がある」と言う徳島県に2年4カ月ぶりに戻ってきた。国土交通省からの出向で、2008年4月から13年3月まで県土整備部長や企業局長を務めて以来の徳島勤務。「5年連続で勤めた場所は徳島だけ。もう一度好きな所で働けることが決まった時は本当にうれしかった」と顔をほころばせる。
県土整備部長兼務の政策監として、7月31日に着任した。南海トラフ巨大地震に備えた防災対策や四国横断自動車道の南伸など取り組むべき課題は多い。「地方創生の土台となるインフラ整備をしっかりと進め、徳島の発展に貢献したい」
東京工業大を卒業後、旧建設省へ。33年間の職歴のうち、約3分の2は河川行政や水資源政策に携わってきた。それだけに昨年、今年と2年連続で浸水被害をもたらした那賀川の整備に懸ける思いは強く、「床上浸水対策事業などの進捗管理をしっかり行い、安全度を高める施策を講じる」と力を込める。
仕事でも私生活でも他者との縁を大切にする。これまでに出会った多くの人たちが、自分を成長させてくれたと感じているからだ。「誘われると断れないタイプ。でもそれを大事にしてきたから得たものも多い」と胸を張る。
趣味は、どちらも前回の徳島勤務時代に始めたマラソンと詩吟。「3度の出場経験があるとくしまマラソンでの自己ベスト更新と、現在2段の詩吟の腕を磨くことが目標」と笑った。妻と息子2人を東京都内に残し、単身赴任。56歳。