前回の記事で「ホットサンドメーカー」を紹介したところ、読者の方から苦言をいただきました。「自宅の台所でキャンプギアの紹介って(失笑)。もっと外に出てくださいよ」。はいはい。言うのは簡単ですけど、このど寒い中、どれだけ勇気のいることか。でも、もっともなご意見です。よっこらしょ。
実は年末、某有名メーカーのケトルとコップを買いました。ケトルとは、やかんのことです。山頂でお湯を沸かし、入れ立てのコーヒーを飲む。そんな光景に憧れ、とりあえずやってみようかと。季節柄、甘酒なんかも風流ですね。絶景を眺めながら至福の一杯。今回のミッションはこれで決まりです。
地元の吉野川市内にはお手軽な絶景スポットがあります。四国山地(?)の中腹にある六地蔵展望台。川島町全域や雄大な吉野川が望め、快晴なら淡路島も見えるとか。何より近くまで車で行けます。荷物もあるし、かなり寒そうな山頂はまた別の機会に。
ケトル、コップ、小型バーナー、予備のガス缶、準備よし。前日に買ったドリップコーヒーと甘酒(ノンアルコール)も袋に入れて準備よし。このまま出発といきたかったのですが、勘の鋭い次女と3女に気付かれました。せっかく静かに過ごそうと思っていたのに・・・。犬は連れて行かんよ! 人形もいらんから! 急に慌ただしくなりました。道中、しっかりとお菓子も買わされ、3人で展望台へGO。
車を止め、200~300メートルほどの急な登り坂を歩きます。案の定、3女が「肩車して」。はいはい。苦労が多いほど、この後の一杯がおいしくなるはず。そう自分に言い聞かせます。好天で見晴らしは抜群ですが、防風林のない展望台は風がきつくて寒い。さっさと準備し、さくっと飲んで、証拠写真を撮って退散です。
ゴォォォォォ。バーナーの火も調子良さげ。よしよし。あとはケトルでお湯を沸かせば・・・。ん? あれっ? 主賓のドリップコーヒーがない。来賓の甘酒もない。もっと言えば水すらない。几帳面にギア類と食品類に分けて用意していたのですが、出発時の慌ただしさにかまけて玄関に忘れてきたようです。このままケトルをバーナーに乗せたところで煙しか出てきません。助けてジーニー(ランプの魔神)。
あるもので何とかするのがキャンパーです。渋る子どもたちからカルピスを分けてもらい、ケトルに入れます。少し待つと、ホットカルピスの出来上がり。これはこれでおいしい。後味が苦いか、甘いかの違いです。ど寒い中、絶景を眺めながら温かい飲み物を口にすれば、たいがいは至福。ミッションコンプリートです。
ケトル以外でもお湯は沸かせますが、この形がどこか愛らしい。もっと使いたいですね。せっかくなので同僚のガチキャンパーたちに声を掛けて「とくしまケトル倶楽部(仮称)」を立ち上げようかな。コーヒー豆からひいてくれそう。そして、ゆくゆくは記事も・・・。