4月に創立100周年を迎える名西高校(石井町)が、記念の応援歌「翼」を作った。全校生徒から募ったアンケートを基に生徒有志が作詞し、同校OBの音楽家住友紀人さんが作曲した。20~22日に徳島市のあわぎんホールで開くイベント「名西高校フェスティバル」で初披露する。今後の校内行事や100周年記念式典などでも演奏する。
曲は2番まであり、歌詞には芸術科音楽コースの朝の練習や、廊下に飾られた書道、美術両部員の作品といった学校生活の情景を盛り込んでいる。「孤独も憂いも不安も迷いも 眩(まぶ)しい朝日に溶かしていこう」などと、背中を押すような言葉も添えている。
歌詞は1~3年生の有志36人が作った。2022年5月に「校内や登下校で通る所などで印象に残る場所や瞬間があるか」「どんなことを学んで体験し、どういった気持ちになったか」といった5項目について在校生にアンケート。四国大の佐々木義登教授の監修で、回答の内容を盛り込んでまとめた。住友さんがゆったりとした中に力強さを感じるメロディーを付けた。
同科美術コース3年の交合智紗希さん(18)は「聴いた人の心に寄り添えるような言葉を選んだ。多くの人に聴いてもらい、元気になってくれたらうれしい」と語った。
フェスティバルでは書道、美術両部員の作品を展示するほか、箏曲、合唱、オーケストラ各部の演奏会などを行う。21日は住友さんを招き、合唱部の生徒らが応援歌を披露する。
同校は1923年4月に県立名西高等女学校として開校。49年3月に県石井高等学校と改称され、男女共学になった。56年4月には県立名西高等学校に改称された。22年度までに2万人を超える卒業生を輩出している。22年度は普通科、芸術科、定時制で計322人が学んでいる。
本番に向けて練習を重ねている合唱部部長の東野佑香さん(16)=同科音楽コース2年=は「聴いてくれた人に勇気や前に進む力を与えられるよう、歌詞の言葉を大切にしながら歌いたい」と抱負を述べた。
1番
ねえ君は覚えてる?
入学したあの日のこと
放課後のはしゃぐ声
帰り道の白い月
自転車で通い慣れた道
踏切の坂で少し急ぐ
朝のピアノの弾む音
廊下に輝く鮮やかな色
※
みんなの翼は小さくて
まだ上手(うま)く飛べないけど
春風をくぐり抜けて
いつか君に追いつきたいな
藤の花が散り また咲くように
青空に羽ばたく日がくるから
2番
少しずつ分かってきた
幾度も昨日を繰り返し
夢は何? 聞かれても
目の前のことで精一杯
窓から差し込む夕焼けに
お腹(なか)空いたとつぶやいて
微睡(まどろ)みの中沈みそう
ふわふわ時間が過ぎ去っていく
※繰り返し
きっといつか輝けるよね
孤独も憂いも
不安も迷いも
眩(まぶ)しい朝日に溶かしていこう