牟岐町出身者や移住者ら町にゆかりのある20代の5人が、町の課題解決策や活性化策を持ち寄ってイベントなどの実現に結び付けようと、団体を設立した。今年から5人それぞれがイベントや事業を始める予定だ。3日には一日限定のコーヒースタンドを牟岐駅前に開いた。互いに準備をサポートしながらアイデアを共有する。
5人は県内外在住の会社員ら。町を盛り上げようと、それぞれが実現したいイベントや事業の構想を描いており、それらを共有、アドバイスし合っている。拠点は設けず、昨年10月ごろから月2回程度、ビデオ会議システム「ZOOM(ズーム)」を用いて会議を重ねている。
5人は「町を面白くしたいけど、具体的にどう行動すればいいのか分からない」と共通の悩みを抱えていた。思いを共有することで一つでも活性化策が形になればとメンバーの一人、中山拓真さん(22)=牟岐町橘、町職員=が同世代の知人4人に声を掛けた。
団体のコンセプトは若者同士が応援し合う「Z世代の共助団体」。名称は、5人で始めたことなどにちなみ、正五角形の内角の一つから「一〇八°(ひゃくはち)」とした。スポーツ交流などのイベントも企画する予定だ。
町出身で大阪府の会社員花野修平さん(26)は、3日に牟岐駅前の古民家でコーヒースタンドを開店。町内外から約150人が訪れ、駅前ににぎわいが戻った。次回は2月11日を予定しており、軌道に乗れば定期的な開設も視野に入れる。同じく町出身で、学生時代にコーヒーブランドを立ち上げた経験がある東京都の会社員田中美有さん(26)が豆のブレンドを担当した。
田中さんは「県外にいても町内の同世代とつながり、古里のために挑戦できる」。花野さんは「町の未来を議論する時間が好き。1人ではできなくても、相談相手がいることで加速していくような感覚が魅力だ」と語る。問い合わせは一〇八°、メール108.mugi@gmail.com