天日干ししたそうめんがくっつかないよう箸を通す赤川さん=つるぎ町半田

天日干ししたそうめんがくっつかないよう箸を通す赤川さん=つるぎ町半田

 徳島県つるぎ町半田地区で、特産の半田そうめんの天日干し作業が始まった。製麺業者の庭先では、冬の日差しで乳白色に輝いたそうめんがカーテンのように寒風に揺れている。

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 1833(天保4)年創業の赤川製麺では、小麦粉を練った生地を専用の干し台「はた」に掛け、170センチほどの長さに引き伸ばす。麺同士がくっつかないように箸を通す「箸入れ」の作業を行い、午後3時ごろから日没まで天日にさらして、夜間は室内で保管する。翌日もさらに乾燥させ、18センチずつに切り分けて商品に仕上げる。1日に約100キロを生産している。

 8代目の赤川治さん(76)は「寒風にさらすと、麺に美しい白色と、こしが生まれる。手間がかかり生産量は増やせないけれど、これからも伝統の製法を守っていきたい」と語った。