「一口食べるとアナタはもう虜♡」―なんとも魅惑的な看板が置かれた焼芋の移動販売店「芋屋 ヤマキ」。あたりに漂う芳ばしい匂いに思わず足がとまる。「うちのお芋、ほんまに、めっちゃくちゃ美味しいんです」と弾けるような笑顔で迎えてくれたのは枦山麻未さん(36・大阪府出身)。勧められるがままに焼きたて熱々のお芋にかぶりつく。と、驚くべきねっとり感、スイートポテトのような甘さ。なんですか!?コレは! 「ヤマキファームのオリジナルブランド里浦ゴールドです」と再び笑顔を咲かせる枦山さん。聞けば、こちらは鳴門市里浦町で鳴門金時を栽培するヤマキファームの直営店。里浦ゴールドは、土や肥料にとことんこだわって育てられ、収穫から90日間貯蔵庫で熟成させて、甘み旨みを引き出したお芋だとか。鳴門金時といえばホクホクのイメージが強いだけに、このねっとり感が衝撃である。この美味しさを広めようと、数年前より農場主が自ら移動販売を始めたとか。縁あって昨年10月からは枦山さんが担当している。
大阪生まれ、大阪育ちの枦山さん。「焼芋屋さんがしたい」と考え始めてから、理想の芋を求めて訪ね歩いてきた。「インスタで見つけた農家さんの畑に行ってお話を聞かせてもらったり、関西おいも万博に出店していた焼芋店の芋を端から端まで買って食べ比べたり」。仕入先を探すため、毎朝5時起きで大阪の市場にも通った。そのときに出会った焼芋店の人から紹介されたのが「里浦ゴールド」だった。「ひとくち食べて、コレこそ私が求めてた理想のお芋やと思ったんです」。思い立ったら行動せずにはいられない性格。「このお芋のことや作っている農家さんの思いをとにかく知りたくて。ヤマキファームさんの畑で2週間働かせてほしいとお願いしたんです」。その思いは通じ、昨年7月末からお盆前まで農場の仕事を体験。知れば知るほど里浦ゴールドに魅せられた。そんな枦山さんの芋愛を知った農場主から移動販売を任されることになったのだ。
未知の徳島への移住に迷いや不安もあったが挑戦を決めた枦山さん。9月に徳島へ来てからは「どうすれば美味しく焼けるか」を追求。焼き方や温度、貯蔵の仕方など試行錯誤し続けた。「難しいのは、畑によって個体差があること。ひとつひとつの個性を見極めて美味しく焼けるようにしています」。
店頭では一番人気の「里浦ゴールド」(1本450円)を筆頭に、ほんのり甘くてもっちり食感の「里浦プルポラ(紫芋)」、甘いのが好きという人にオススメの「紅はるか」、べっちゃり系の「安納紅」の4種類を販売。よりしっとり感が増す冷やし焼芋も大人気。芋はいずれもヤマキファームで育った芋だ。現在、いせや農場(鳴門市)や阿波食ミュージアム(石井町)、ヤマキファーム敷地内などで不定期で出店。詳しい出店日時はInstagramでお知らせしている。チャーミングで焼芋愛あふれる枦山さんとのトークもお楽しみに。
芋屋 ヤマキ
出店日時はInstagram(@imoyayamaki)でお知らせ
080-1425-4611
ヤマキファーム
徳島県鳴門市里浦町里浦坂田176