徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)

 最近の子どもは外遊びをしなくなったと同時に読書もしなくなったと言われます。活字離れは乳幼児早期からスマートホン(スマホ)やパソコンなどでメディアに接する機会が増えたことが原因のひとつと考えられます。

 スマホやパソコンは現在の生活には便利で欠かすことが出来ない反面、知識や経験が十分確立していない子どもが使用すると様々な問題が生じる恐れがあります。今月は子どもとメディアの関係について考えてみました。

 メディアは不特定多数の人たちに同時に情報を伝える手段です。従来のメディアは新聞、雑誌、ラジオやテレビなどでしたが、最近のメディアはインターネットを利用して行う電子機器としてパソコン、携帯電話、スマホ、タブレットなどが代表的なものです。

 メディアの利点は多くの人が、多くの情報を短時間に収集でき、容易に共有できることです。昔はテレビが映像と音声や文字を同時に伝えることができて最も影響力が強いものとされてきました。

 最近のメディアはインターネットを利用したものが主なもので、その速度と情報量は従来のテレビとは比べ物になりません。また最近の電子機器は操作が簡単で、子どもでも簡単に取り扱うことができます。電源を入れるとすぐにインターネットに接続されます。さらにフェイスブック、ツイッター、ラインなどを利用した情報交換が大人の知らないところで進んでいます。

 これらの新しいメディアが乳幼児の心身の発達に大きい影響を及ぼすことが懸念されます。