社名のFBは「ファミリービジネス」の略で、創業者やその親族が経営する企業、またはオーナー一族が大多数の株式を持つ企業を指す。そうした企業が今、最も頭を悩ませているのが「次世代への事業継承」だと指摘する。

 「国内の中小企業の大半はFB企業なのに、後継者問題などの重要課題を解決に導くサポート企業は極めて少ないのが実情です。地場の中小企業が元気にならなければ、国が進める地方創生の実現はもとより、日本経済の再生も難しいと考え、FB専門の支援企業を立ち上げました」

 現在、首都圏を中心に85社と契約を結び、新規事業の開発など約100プロジェクトが進行中だ。「東京を拠点にビジネスの最前線で活躍する専門家の協力を得て、どんな経営課題にも対応できるよう体制を整えています」

 支援内容をさらに充実させようと、経営者の資産管理などもサポートする関連会社を設立する予定だ。「将来的には、FB企業の後継者を対象としたビジネススクールも開設したい」と夢は膨らむ。

 徳島の活性化策をめぐっては「地元の企業が発展しないと雇用の受け皿は見込めず、少子化も若者の県外流出も続く」と話し、「医療や農業、観光の分野で徳島ならではの産業をつくり、世界に向けて稼げるモデルの構築を急ぐ必要がある」

 ITの普及で都市と地方の情報格差は縮まってきた。しかし、地方の弱点とされるのが、地域の資源を効果的に売り出し、収益を上げるための情報発信力だ。

 「人口減が進む中で生産性を高めるには、ITをもっと利活用しなければ。県や市町村は、徳島県全体のブランド価値を高める力を磨き、成功事例を企業に伝えて活性化を促す取り組みに全力を挙げてほしい」。
 
 やまだ・かずほ 徳島市出身。徳島市立高校理数科、名古屋市立大経済学部卒。大手証券会社やコンサルティング会社で勤務後、2014年にFBマネジメントを設立。代表取締役社長兼CEO。東京都中央区在住。33歳。