徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)
インターネットを利用した最近のメディアは大変便利なコミュニケーションの手段です。多くの情報を短時間に収集することや、多くの人に情報を発信するためにはなくてはならないものです。
しかしメディアを利用するためには一定の知識や経験があって、利用する目的が明らかでなければ、いたずらに時間を費やすばかりで却ってメディアに縛られる危険性があります。今後、メディアの使用法については子どもだけでなく周囲の大人も含めて適切な使用法の教育が求められます。
パソコンやスマホでゲームやインターネットに夢中になると時間を忘れて他の大事なことを忘れます。睡眠を忘れてゲームを行い、ライン、ツイッター、フェイスブックなどインターネットを利用したメディアに時間を取られると、勉強する時間がなくなり、外で体を動かすこともなくなり、実体験がないのに、メディアの情報だけに頼るようになります。メディアに費やす時間が長くなると学校の成績にも影響して、ネット依存症に陥ります。
インターネットの過度の使用は、睡眠障害や遅刻・欠席の増加、学業の不振の原因になるばかりでなく、孤独感の助長、攻撃性の亢進、規範意識の欠如、抑うつ傾向などの心理的、社会的問題を起こしやすいことも明らかにされています。
携帯やスマホ、パソコンなどの電子機器は子どもが購入して維持管理できるものではありません。子どもたちの心身の健やかな成長発達のためにメディアの使用法に関しては親子で納得にいく話し合いをして、管理は大人の責任で行うことが大切です。