浸水や津波などの災害で汚れた写真を洗浄するボランティアの体験講座が22日、徳島市の徳島文理大で開かれ、学生や地域の防災士ら31人が参加した。
2018年の西日本豪雨で被災した岡山県倉敷市で活動する団体「真備町写真洗浄@あらいぐま岡山」を招き、顧問の福井圭一さん(52)らが講師を務めた。
福井さんは51人が亡くなった同市真備町地区の浸水被害を写真で説明し、写真洗浄の手順を指導。参加者は団体が被災者から預かった写真を水に浸し、スポンジでこすったり消毒液で拭き取ったりして、一枚ずつ慎重に汚れを落とした。
徳島大大学院2年の下村泰生(たいせい)さん(25)は「写真の修復を通じて世の中の役に立てるのは貴い」。文理大1年の朝倉茄津奈(なづな)さん(18)は「思い出を残したいという依頼者の気持ちを大切にしたい」と話した。
西日本豪雨から4年たった現在も、団体には写真の洗浄依頼があるという。福井さんは「津波を伴う災害では、必ず写真洗浄のニーズが出てくる。今回の経験を覚えておいて、災害時に動いてほしい」と呼び掛けた。