太平洋戦争の末期に疎開していたつるぎ町貞光の真光寺で火災に遭って亡くなった大阪市の南恩加島小学校の児童16人を供養する法要が、命日の29日に行われた。
真光寺では1945年1月29日、漏電が原因とみられる火災が起こり、当時疎開していた3年生児童29人のうち16人が亡くなった。地元住民が翌年、追悼の意を込めて十六地蔵を建立した。
78年忌となった法要には地域住民や貞光小の全校児童ら約160人が訪れ、一人ずつ焼香して十六地蔵に手を合わせた。
貞光小児童は法要に先立ち、校内にある南恩加島小から贈られた慰霊のモニュメント「平和の鐘」を鳴らした。6年の木村颯人君(12)は「今も戦争で悲しい思いをしている人がいる。この活動が平和を思う気持ちにつながると感じる」と話した。南恩加島小の元教員白川洋二さん(75)も3年ぶりに法要に参加した。
十六地蔵尊供養会の紀伊秀樹会長(49)は「出来事は負の遺産だが、小学校での取り組みなどを支えに法要が続けてこれた。世代が変わっても戦争や平和を考えるきっかけとして残したい」と語った。