大手企業の管理職クラスを中心に、年間数十件の人材紹介を手掛けている。転職希望者を募って求人企業とマッチングさせる登録型の人材紹介ではなく、企業からの依頼で30代後半~40代の適任者を探し出す、ヘッドハンティング型の人材紹介だ。
依頼される案件は、人事や経理といった組織マネジメント部門から、営業・マーケティング部門まで幅広い。「企業にとっては組織の将来に関わる採用であり、候補者にとっても人生を左右する転職になる。それだけに、信頼と納得を大切にした人材紹介を心掛けています」
米大学院に留学中、ヘッドハンティングによる人材紹介ビジネスを知った。「日本でも(働く場と暮らしの安定を企業が保証する)終身雇用が終わり、管理職や経営陣を含めた人材の流動化が進むと感じて、この仕事をやってみたいと思いました」。初志を貫き、2005年に立ち上げた会社は、今秋で10周年の節目を迎えた。
徳島との関わりでは、休眠状態にあった母校・富岡西高校の同窓会「東京牛岐会」の復活に尽力し、今も事務局を務める。昨年から始めた在校生との交流を通して実感したのは、過疎化や人口減が進む古里の将来だ。
「都会で暮らす若者を徳島に呼び戻したいのなら、まずは雇用環境を整える必要がある」と強調した上で、「『徳島から世界を相手にビジネスができる』というような、若者がやりがいの持てる仕事をたくさん提供できればいいですね。官民一体となって、そうした環境づくりに全力を挙げてほしい」
首都圏や関西からの交通手段でも「飛行機と高速バスに頼るだけでは、交流人口を増やすといっても限界があるでしょう。交通アクセスの充実強化も課題ですね」。
まつだ・ひろゆき 阿南市出身。富岡西高校、中央大商学部卒。サンダーバード国際経営大学院国際経営研究科修了。経営学修士(MBA)取得。大手メーカーの海外事業部やコンサルティング会社などで勤務後、2005年にGJパートナーズ設立。代表取締役社長。神奈川県川崎市在住。45歳。