店舗数24店、売上高約300億円、従業員数約1300人。滋賀県内で抜群の知名度を誇るホームセンター「アヤハディオ」のトップに立ち、6年を迎える。「地域のお客さまにとってオンリーワンの存在であり続けたい」

 「徳島で働きたい」。大学卒業後、Uターンし徳島県内のホームセンターに入った。会社は成長を続け、上場を果たし拡大路線をひた走った。自身も栃木県内の店を切り盛りするなど奮闘したが、会社の方向性に疑問を感じて34歳で退職する。帰郷を考えていたときにアヤハディオの求人を目にした。

 契約社員として働き始め、隣県への進出プロジェクトを成功に導く。その手腕を買われて2003年、取締役に。6年後、今度は親会社のオーナーから「全体を見ろ」との一声で代表取締役に就いた。48歳だった。

 「不安しかなかった」。突然、上司が部下となる気まずさ、生え抜き社員が多数いる中での肩身の狭さ…などが頭をよぎった。それでも最前線に立とうと決意したのは「店を繁盛させるための自分なりの考えはあったし、期待を掛けてくれた人に報いたいとの思いもあった」からだ。

 自ら言い聞かせていることは「人を大事にすること」。顧客一人一人に合わせた情報発信やサービス提供、来店者が気持ちよく利用できる環境整備、従業員の給与など、あらゆる場面で判断基準にしているのは「人」だ。「ようやく態勢が整ってきた。小売業は競争が激しいが、全国チェーンが来ても十分勝てる」と力を込める。

 徳島への思いも強い。「課題は多いが、若者を集める全国イベントが育つなど、本気で取り組めば徳島はまだまだ元気になる」と話す。「働けるところまで働いたら、いつかは戻りたいですね」。

 にい・のぶゆき 藍住町出身。鳴門高校を経て岡山商科大商学部卒。1983年、徳島県内のホームセンターに入社し、95年、アヤハディオ(大津市)に転職。2009年5月から同社代表取締役。日本ドゥ・イット・ユアセルフ協会常任理事も務める。草津市在住、55歳。