「重責を担うことになって身の引き締まる思い。古里への恩返しのつもりで、しっかり務めたい」。県人会の会員は230人いるものの、ご多分に漏れず、課題は高齢化だ。若手会員を確保するため、愛媛大や松山大で徳島県出身者に入会を呼び掛けることにしている。
会員間のコミュニケーション不足も気掛かりで、「ボウリングやカラオケなどで集う交流会を3カ月に1回は開きたい」と意気込む。
美馬市脇町生まれ。松山商科大(現松山大)卒業後の1975年、日本電信電話公社(現NTT)に入社した。徳島や東京転勤を経て四国支社配属になった86年、愛媛に居を構える。県人会には前任の4代目会長、本淨嘉章さん(69)に誘われて2006年に入会した。
08年にNTT西日本を退職してからも、グループ企業・日本カーソリューションズ松山支店の担当部長として自動車リースの営業に駆け回る。「毎日忙しいけど、連絡を取り合う県人会の仲間が支えになっている」
愛媛県の観光・物産PRのうまさに刺激を受ける。「全国の認知度で徳島が後れを取っているのが悔しい。スダチやちくわなど、阿波の味は誇れるものばかり。松山で定期的に徳島物産展を開けないだろうか」と県産品PRにも意欲的だ。
趣味は脇町高時代から続ける剣道。「でも25歳で取った五段から昇段できていない」と悔やむ。座右の銘である「敵は汝(なんじ)の妥協なり」をかみしめ、「これまでは何事も中途半端だっただけに、会長の仕事を人生の集大成にしたい」。3人の息子は県外で就職し、松山市味酒町で妻(60)と2人暮らし。63歳。