西日本豪雨による土砂災害のため、3世帯5人が孤立していた徳島県三好市山城町の光兼集落で6日、寸断していた市道が仮復旧し、車の通行が可能になった。県内では一時、同市と那賀町の85世帯272人が孤立状態となっていたが、全世帯の孤立が解消した。
復旧作業に当たっていた建設業者が市道の崩落箇所に土のうを積み、路面代わりの鉄板を設置。市工務課の担当者が安全性を確認し、交通規制を解除した。光兼集落の孤立解消は約1カ月ぶり。集落に暮らす女性(78)は「本当に助かる。ただ、台風が来たらまた道路が流されてしまうのではないかと不安だ」と話した。
光兼集落では市道が崩落し、遅くとも7月8日から孤立状態に。住民は集落外に車を止め、通行止め区間を歩いて移動するなど、不便を強いられていた。
西日本豪雨で三好市では山城町を中心に土砂災害が相次ぎ、7月10日時点で9集落81世帯262人が孤立した。特に被害の大きかった山城町粟山、仏子両集落では、全世帯25戸46人が市営住宅や親族宅などに移った。
市危機管理課は「孤立解消後も、大きく遠回りしなければいけない集落もあり、復旧は道半ばだ」としている。