三好市が林業アカデミーの学舎として活用を想定している県の旧農業研究所三好分場=同市池田町シンヤマ

三好市が林業アカデミーの学舎として活用を想定している県の旧農業研究所三好分場=同市池田町シンヤマ

三好市が林業アカデミーの学舎として活用を想定している県の旧農業研究所三好分場=同市池田町シンヤマ

三好市が林業アカデミーの学舎として活用を想定している県の旧農業研究所三好分場=同市池田町シンヤマ

知事に要望書を渡す高井市長(右)=県庁

知事に要望書を渡す高井市長(右)=県庁

 三好市が、林業の担い手を育てる「市林業アカデミー(仮称)」の設立を計画している。2024年度の開校を目指し、準備期間となる23年度の一般会計当初予算に関連経費を盛り込む方針だ。徳島県内では県が16年度に「とくしま林業アカデミー」を開いており、高井美穂市長は運営ノウハウの支援をはじめ、拠点に考えている市内の県有施設の無償貸し付けなどを県に求めている。

 計画では、アカデミーの運営主体となる一般社団法人を年内にも立ち上げる。学びの拠点は、県の旧農業研究所三好分場(池田町シンヤマ、敷地面積1万9865平方メートル)の施設を活用する予定で、建物の改修などは市が担う。受講者の募集要件や定員、カリキュラムは、とくしま林業アカデミーの協力を得るなどして検討を進める。

 開校の準備や運営の財源には、国の森林環境譲与税を充てる。一般社団法人は人材育成に加えて、森林管理や森林所有者への意向調査も行う。

 県の林業アカデミーは徳島市に開設され、公益社団法人徳島森林(もり)づくり推進機構(同市)が運営主体となっている。研修は1年間で、基礎知識を座学で学び、インターンシップで現場経験を積む。機械操作の資格や免許も取得する。

 三好市独自に開校を目指す理由について、市長は「面積の9割近くを森林が占めるなど実践の現場がある。森林を後世に引き継ぎ林業を振興させるには、知識や技術を備えた地域の林業人材を確実に育てる拠点が必要だ」と述べた。

 林野庁によると、市町村が独自に林業者の育成拠点を設立する例は全国的に珍しい。四国では昨年4月に愛媛県の宇和島市、松野町、鬼北町と南予森林組合でつくる一般社団法人が南予森林アカデミーを開校した。