藤森さん(右端)からスダチの栽培環境について聞くバルボーさん(左から2人目)と廻神さん(左端)=神山町鬼篭野

 フランスの有名レストランのシェフらを招き、徳島県産スダチの魅力に理解を深めてもらう「EU『SUDACHI』体感ツアー」が6日、徳島県神山町で始まった。県産スダチの欧州連合(EU)への輸出拡大に向け、県や経済団体でつくる「とくしま農林水産物等輸出促進ネットワーク」が企画した。

 パリの三つ星レストランで、料理にスダチを使っている「アストランス」のパスカル・バルボーさんと「ルドワイヤン」の副料理長廻神(めぐりかみ)大地さんが来県。EU向けのスダチを生産する神山町の農家2戸を訪れた。藤森正三さん方の園地ではスダチの香りを確認し、農薬処理や出荷基準などについて質問した。

 バルボーさんは「質の良いスダチを育む土壌を肌で感じることができた。レシピ開発につなげたい」と話していた。2人は8日まで滞在。神山町の選果場や阿南市と上勝町の加工業者を視察し、同市のレストランでスダチと県産食材を使った料理を味わう。

 県は、2015年度から県の農場で栽培したスダチを欧州に試験出荷しており、17年度は神山町の農家が栽培したスダチを初出荷した。本年度は同町内の出荷農家を1軒から4軒に増やし、輸出量を17年度の80キロから大幅に伸ばす計画としている。