(同社提供)

 「女性社員の比率は?」「やりがいを感じるのはどんなとき?」―。大学生が徳島の企業を訪れ、質問をぶつけます。企業の公式ウェブサイトを見るだけでは分からないことも伝えます。徳島にこんな会社があったのか、という発見もあるはず。就職活動の参考にどうぞ。毎週火曜に更新します。 問い合わせや取材の申し込みは seikei-bu@topics.or.jp。

 

(取材に応対してくれたのは人事部人材開発室室長の小島輝也さん、同室係長の福士将平さん、同室の中川琴海さん、総務部広報課課長の岩岡雄二郎さん)

 ―業務内容、事業内容を教えてください。

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 当社の主な事業内容は、臨床栄養製品を中心とした医薬品や医療機器、機能性食品等の製造販売です。当社は70年以上にわたり輸液事業に取り組む日本の輸液のリーディングカンパニーであり、医療用医薬品以外にも、経口補水液「オーエスワン」をはじめとするメディカルフーズや、OTC医薬品(一般用医薬品)「オロナインH軟膏」なども取り扱っています

当社では、医学的・栄養学的根拠を元に開発した医療の場で役立つ食品を「メディカルフーズ」と定義しています

―どのような部門、部署がありますか。

 大きく分けて営業部門、製造・技術部門、研究開発部門、品質管理部門、経理や人事などを担当する間接部門があります。営業部門では、医療用医薬品の情報提供などを行うMR(医薬情報担当者)やメディカルフーズのプロモーション活動を行うNR・サプリメントアドバイザー※が活躍しています。MRは病院やクリニック、薬局などに赴き、新製品の紹介や栄養療法、副作用などの情報を提供・収集します。製造部門では、医薬品などの製造を行い、高品質な製品の安定供給に取り組んでいます。技術部門は容器開発や、工場への機械導入とメンテナンス、近年はDX化やシステム管理にも取り組んでいます。品質管理部門では、医薬品の原料試験から製品試験などを行います。

一般社団法人日本臨床栄養協会が認定する、保健機能食品、サプリメントの指導・相談を担う知識を証明する資格。NR(栄養情報担当者

―経営理念や社風を教えてください。

 大塚グループの企業理念は、「Otsuka-people creating new products for better health worldwide(世界の人々の健康に貢献する革新的な製品を創造する)」です。大塚製薬工場の経営ビジョンは、「The Best Partner in Clinical Nutrition(臨床栄養領域における患者さんや医療従事者のベストパートナーを目指す)」です。

 社風に関しては、一言で言うのは難しいですが、社員の個性を尊重し、それぞれの自由な発想を受け入れて、人々の健康に貢献できる「ものづくり」を行っていこうという雰囲気があります。会社は社員の挑戦を歓迎し、若手の提案も受け入れられやすい環境があり、たとえ失敗しても再チャレンジできる土壌があります。

―採用人数はどうなっていますか。どのような選考方法ですか。

 採用人数ですが2023年度は82名で、2024年度は70~80名の予定です。大卒以上の構成比は院生7割、学部生が3割です。採用は12職種に分かれています。例えば、営業職や研究開発職は医薬品分野と食品分野に分かれています。近年は女性のMR、NRも増えています。

 選考方法については、まずはエントリーシートを提出いただき、その後、1次面接やWeb試験などの適性検査、最終面接を順に行っていきます。

―選考基準はどうなっていますか。どのような人材を求めていますか。

 選考基準としては、本人の能力や主体性、会社や事業内容への興味・関心・熱意などを総合的に評価して採用しています。求める人材像としては以下の6点を挙げています。

1. チャレンジする人、またそれを前向きに支える人
2. 創造性(クリエイティビティー)を発揮できる人
3. 個性を尊重し、長所を伸ばしてあげられる人
4. 決して諦めない人
5. ユーモアのセンスを持った人
6. 誠実な人

―やりがいを教えてください。

 患者さんや医療従事者、お客さま、そしてともに働くメンバーから感謝されたときなどにやりがいを感じることが多いかと思います。例えば、営業部門では、直接、医療従事者や、食品を利用されているお客さまから感謝の言葉を頂いたりすることがやりがいにつながっていると思います。製造部門でも、自らが製造に携わった製剤が患者さんのお役に立っていることを知ることで、責任感とやりがいを感じていると聞いています。

―数多くの製品が開発、販売されています。新製品の企画に至る過程を聞かせてください。

 営業職や研究開発職が実際の現場で医療従事者と意見交換する中で、新製品が生まれることがあります。ここで得られた意見やニーズに対して、社内で検討し、自社で研究開発・製造が可能かなどを検討し製品化につなげていきます。

 ―仕事だから苦しいことやつらいこともあると思います。イメージとは違っていたということもあるかもしれません、入社前に知っておいてほしいことなどがあれば教えてください。

 医療にかかわる分野のため、責任やプレッシャーを感じることが多いかもしれません。確かに若手のうちから責任感を持って業務にあたっていただかなければならないのですが、上司や先輩からのサポートが必ずありますので、安心してください。

 ―入社のきっかけを教えてください。

 大学の先輩が入社していたことと、NRという職種を目指していたためです。選考が進んでいく中で、製薬企業ならではの責任感も感じましたが、逆に緩すぎない環境は自分に合っており、成長できそうだと感じたので決めました。人と接することが好きで、コミュニケーション能力もあると感じていたので、営業をしてみたいという思いがありました。営業ができるさまざまな企業を受けていく中で、医療を通じて社会に貢献したいという思いから入社を決めたのが大塚製薬工場でした。

 ―大きな企業ならではの良さはありますか。

 大塚グループでは、現在、世界33ヵ国・地域で47,000人の社員がグローバルに活躍しています。人々の健康への貢献を目指すという共通の目的のもと、多彩な価値観や知識・経験を有する社員とともに、イノベーションやグローバル化を進展させ、革新的な製品開発に取り組むことで、大きなやりがいや達成感を感じることができます。

 福利厚生面も充実しており、大塚グループの健康保険組合や企業年金基金、保養所などの福利厚生施設や従業員持株会、社員向け保険の提供などがあります。また、育児や介護への支援制度も充実しており、休暇などを取得しやすい環境が整っています。語学学習やビジネススキル取得などの自己啓発への支援も行っています。

 ―本社を徳島県鳴門市に置いています。地域とのかかわりはありますか。

 拠点を置く徳島県や鳴門市、松茂町などと積極的に関わり、地元企業として当社ができることを協力していきたいと考えています。例えば、鳴門市とは「健康で安心して暮らせるための地域づくりに関する包括連携協定」を締結し、人々の健康に関する地域貢献に取り組んでいます。また、徳島県の地球温暖化対策推進条例に基づく「とくしま協働の森づくり事業」のパートナーシップ協定を締結し、穴吹川上流地域での森づくり活動を行っています。一方で、大塚製薬陸上競技部は、中学・高校の陸上競技部員などを対象に定期的に陸上教室を開催しており、陸上競技の面白さを伝えるとともに、地域スポーツへの貢献を行っています。

 ―研修制度はどのようになっていますか。

 入社して最初の1週間は新入社員研修を行います。マナー研修をはじめ、会社の企業理念や歴史・文化、各部門の役割などを学びます。次に各部門単位で研修があります。それ以降は、3年目のマイルストーン研修、次期リーダー研修などがあります。他に、語学研修や部署単位での勉強会、学会参加などを通して自己研鑽することができます。

 ―就活生へのメッセージをお願いします。

 就活について悩みが生じたら、恩師や先輩、友達や家族などとたくさん話をして、自分を見つめなおして、リフレッシュしてください。あなたが共感できる会社にきっと巡り合えるはずです。医療や人々の健康に貢献したいという熱い思いを持っている方は、是非私たちと一緒に頑張りましょう。

会社データは以下より HPはこちら→https://www.otsukakj.jp/