デビュー30周年を迎えたボサノバ歌手の小野リサさん=東京都内

 日本のボサノバの第一人者である歌手の小野リサさんが9月、デビュー30周年の記念アルバム「旅そしてふるさと」のライブで来県する。「徳島といえば阿波踊り。ラテン的で陽気なリズムに親しみを感じます」。酷暑をつかの間忘れさせるような清涼感のある声で語る。

 ブラジル・サンパウロに生まれた小野さんにとってボサノバは「自分自身の軸であり、人生の道しるべ」。その一方で「音楽の旅」をテーマに、アメリカやイタリアなど世界中の名曲をボサノバアレンジで歌い継ぐ試みも続けてきた。

 30周年の節目のアルバムに収録したのは「知床旅情」や「大阪の女」「南国土佐を後にして」など、日本のいわゆる”ご当地ソング“。「日本のリスナーの皆さんへの感謝を込めて、全国各地で歌い継がれ、伝統になり文化になっているような楽曲を選んだ。日本の地域色の豊かさを改めて感じることができて楽しかった」。9月のライブではこれらの楽曲と、ボサノバの定番曲などを織り交ぜて披露する予定だ。

 カフェやバーのBGMで、テレビのCMソングで。私たちの生活にすっかり浸透したボサノバ。「デビュー当時はこんな日が来るとは想像もしていなかった」とうれしそうだ。「偶然立ち寄った店で古いボサノバのレコードがかかっていたりするとたまりませんね」。 

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 ライブは9月1日午後6時半から阿南市情報文化センターコスモホール、2日午後2時半から阿波市交流防災拠点施設アエルワホール。チケットは4500円(当日500円増)。問い合わせは徳島新聞社事業部<電088(655)7331>。