(右から)店主の梶原さんとスタッフの大村一新さん(18・三好市出身)、井上翔成さん(18・三好市出身)。

(右から)店主の梶原さんとスタッフの大村一新さん(18・三好市出身)、井上翔成さん(18・三好市出身)。

よもぎかけうどん(500円/11:00~14:00)。東みよし町と三好市で育った「エメラルドよもぎ」を麺に織り込む。

よもぎかけうどん(500円/11:00~14:00)。東みよし町と三好市で育った「エメラルドよもぎ」を麺に織り込む。

ベーコンとキノコのクリームうどん(700円/11:00~14:00)。クリームソースに白出汁を合わせてコクを出し、バターとチーズ、コショウで濃厚に仕上げた。

ベーコンとキノコのクリームうどん(700円/11:00~14:00)。クリームソースに白出汁を合わせてコクを出し、バターとチーズ、コショウで濃厚に仕上げた。

うどんと創作料理 くらふと
梶原良倫さん(47・大阪府出身)

 2022年10月、東みよし町にオープンした「くらふと」。鶏肉グリーンカレーうどん、ベーコンとキノコのクリームうどん、エビ入りトムヤムクンうどん…カウンターの上にユニークなメニュー名が躍る。

 店主の梶原さんは料理人歴28年。京都にあるホテルのフレンチレストランで腕を磨き、その後は大阪・梅田のイタリアンや和食、東南アジア料理などのお店で料理長を歴任した。生まれも育ちも大阪の梶原さんと徳島を繋いだのは中学時代の同級生。独立の夢を叶えようと物件を探していたときに、徳島に移住していた彼から現在のお店の場所を紹介してもらった。「もともと『うどん工房 びけん』だった店舗。大家さんはびけんの初代店主で、店内に残されていた製麺機や茹で釜なども『そのまま使っていいよ』と言ってもらえたんです。設備は整っているし、地域の方にも『ここはうどん屋さん』というイメージが残っている。それならうどん屋をしよう、と決めました」。うどん作りは未経験だった梶原さん。まずは香川で基礎を学び、開業への一歩を踏み出した。美味しいうどん店がたくさんあるなかで、お店の個性を出すにはどうすればいいか。「得意な洋食やアジア料理とうどんをかけ合わせて、他にはない一杯を作ろう!と考えたんです」。こうして生まれたのが冒頭の個性的なアレンジうどん。11時から14時の昼営業時に楽しめる。

 もちろん、麺づくりにも決して妥協しない。提供前日の昼に生地を作り、温度を変えながら半日ほど熟成させ、翌朝に製麺。水分量をギリギリまで多くすることでモッチリ感を生む。さらにオリジナル麺「よもぎうどん」を開発。高校時代の同級生である清水雅文さんが東みよし町と三好市で栽培した「エメラルドよもぎ」を織りこんだ麺は、後味にほんのりよもぎが香る。こちらはミックスうどん(小500円/11:00~14:00)やよもぎかけうどん(500円/11:00~14:00)で味わえる。昆布、うるめ、さば、鰹節をブレンドしたかけ出汁は、やや甘めの関西風だ。

 17時からの夜営業では、居酒屋さんに様変わり。「新たな料理との出会いを楽しんでもらいたい」と、地元の食材をふんだんに取り入れた和洋の創作料理をはじめ、大阪のソウルフードである馬肉の燻製「さいぼし」(530円)や、かすうどん(700円)も提供する。

 さらに、入口に手作りスイーツの無人販売コーナーがあったり、ガレージに焚き火テーブルがあったり、夜営業では「ダーツで割引きGETチャレンジ」「【ミッション】デザートを探せ !」などのミニイベントが唐突に始まることがあったり。思わずツッコまずにはいられない、さまざまなコンテンツが店じゅうに散りばめられている。「ここに来たらなんかおもしろいことがある、と思ってもらえたらええかな」とはにかむ梶原さん。次の一手が楽しみで仕方ない。

メニュー
・卵とじうどん(600円)
・釜玉明太うどん(700円)
・炙りチーズカレーうどん(700円)

うどんと創作料理 くらふと
徳島県東みよし町加茂1500-1
070-2292-9621
営業時間=11:00~14:00、17:00~22:00
定休日=月曜休

駐車場:あり
多機能トイレ:なし
Wi-Fi:なし
完全個室:なし
座敷席:なし
開店:2022年10月1日